これはいい
風邪なのか、鼻炎なのか、具合が悪くなりそうで、なかなか悪くならない中途半端な体調でさえない日々が続いています。熊の冬眠みたいに春の前に充電したい時期なのですが、知らず知らずに疲れが募ってきます。
これまではスタッフに恵まれて仕事では何のストレスもなかったのですが、いまはかつてない危機感を持っていることも影響しているのかもしれません。
そんな毎日を癒してれるのが、このCDです。Mike Bloomfield(マイク・ブルームフィールド)の「If You Love These Blues,Play 'em As You Please」です。1970年代のレコード2枚を1枚にした復刻版です。ブルームフィールドは、1960年代後半のロック世代のアメリカ最初ギターヒーローで、私がロックを聴き始めた時は、「スーパーセッション」などで知られ、偉大な白人ギタリストの一人に挙げられていた人でした。しかし、70年代半ばには表舞台から姿を消し、マイナーレーベルから何枚かのレコードを出した後、1981年にサンフランシスコの駐車場で意識不明の状態で発見され、亡くなりました。ギターヒーローの悲しい最期でした。
このCDはちょうど、巨大ビジネス化したロックに背を向け、自分が好きなブルースを演奏していた時期のものです。前半は、コメントを交えて大好きなブルースを弾いています。後半は79年の録音で、アコースティックギターのWoody Harrisという人とのギターデュエットで、ブルースやフォーク、ゴスペルを弾いたり、歌ったりしています。特に後半の音楽は、今で言うならアンプラグドといえるものです。当時はクロスーバーさらに、ディスコ全盛の時代にあって、アメリカの古き良き音楽を楽しそうに歌い、弾く姿は感動的です。まさにグッド・オールド・タイム・ミュージックです。
悲劇的な最期から、どちらかというと、時流に乗れずに時代に取り残されてしまったギターヒーローのイメージを勝手に持っていましたが、このCDを聞いて、目から鱗が落ちました。不器用に見えた生き方は、商業主義で巨大化したロックに背を向け、本当に自分の好きな音楽を追い求める純粋な気持ちの現れだったのです。
MTVでアンプラグド番組がレギュラー化するのは1989年。ブルームフィールドはそれより10年も早く、アンプラグドアルバムを出していたのです。あのディスコやユーロビートの時代にです。時代遅れどころか、早すぎた人だったのです。もし長生きしていたら、ブルースフェスティバルなどで楽しそうにオールド・タイム・ミュージックを演奏する姿が見られたはずです。
誰も知らない人で済みません。ウイキペディアによると、ローリングストーン誌2003年8号の「ローリングストーンの選ぶ歴史上最も偉大なギタリスト100人」で22位だったそうです。
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