11日深夜、苫小牧東港でプレジャーボートが転覆、1人が救出され、5人が死亡、1人が行方不明になる事故がありました。亡くなられた方のご冥福を祈りたいと思います。
実は午後11時ごろから会社のみなさんが呼び出しを受けて、徹夜の取材をしているときに、私は早々に家に帰り、寝ていました。翌朝も午前10時過ぎまで惰眠を貪っていたところ、会社からの電話で目を覚ましました。「すでにご存知かもしれませんが、5人が死亡する事故が起きました」。
目が覚めました。身支度して、会社に行くと、夕刊の早版の締め切りの直前で、全員が目を血走らせて殺気だった空気です。私としては気まずい雰囲気でしばらく座っていました。こういう出遅れは、非常に居心地が悪いものです。
座って様子を聞いていると、段々、事故の概要が分かってきます。事故にあったのは全員、自衛隊千歳基地の方でした。いつも仲良く行動を共にする釣り仲間なのかと思いましたが、救出された人の話によると、ボートの持ち主の人とあと1人の3人と、別の4人は面識がない人だったそうです。船の持ち主が船釣りを呼びかけで、ふだんはともに行動しない別のグループが合流、小さな船に同船したようです。定員6人のところを7人が乗っていたそうです。
この日は深夜に風が強くなる警報が出ていたそうですが、事故の直前の10時半ごろになって風が吹き始め、ものの20分ほどで嵐模様に変わったようです。
7人は防波堤にボートを係留して、各自釣りを楽しんでいたようです。残念ながら周囲を見回して状況を判断するリーダー的な存在がいなかったようです。時化になって、慌ててボートに戻ったときは、高波を受けてボートはかなり浸水していたようです。水をかき出す努力をしたようですが、波が勝り、慌てて防波堤に戻ろうとしたところ、ボートは転覆してしまい、1人を残して6人が海に飲み込まれてしまったようです。
「たられば」は禁物ですが、だれか深夜には荒れるという警報に従って釣りはやめる、あるいは風が出る前に釣りを早めに切り上げていたら、浸水しているボートに乗らず防波堤に残っていたら、早めに水出しをあきらめてボートから避難していたら、いろいろなことがあり得るとは思いますが、結果は違っていたのかもしれません。
こうした海難、船の遭難では、船長(キャプテン)の存在が生存の鍵を握ると言います。難しい状況になったときに的確に判断できるかどうか。今回の事件では、この日知り合ったばかりの釣り人をまとめるリーダーがいたのか、どう行動したのか。そこが一番気になりました。
自分の身に照らしてみても、自分だけは大丈夫というという勝手な思いこみや、せっかくの週末だからちょっとだけやってとかという、ことは決してないこととは言えません。むしろそういう場面の方が多いと思います。似たような場面だったら私もやめる勇気は持てないと思います。
嵐に気付かなかった先週の土曜日といい、惰眠を貪った罰なのか、今週末の休みは仕事で潰れてしまいました。